この寒さは
ない。
この寒さはない。
一週間前まで秋やったのに。
NYの寒さはもっともっとすごかったわけですが、人間何にでも慣れていくものなので、僕は今のこの寒さに大いに文句を言います。
寒い!寒い!寒い!あほ!嫌いや!
ふう。
…それに、NYでは冬の寒さは尋常でなかったけど、なんかNYの冬はもうジョークの種になっているというか、イベント的な感覚になっていて、寒いけどそれが少しだけ楽しかったというか、嬉しかったのを憶えています。
やはり話す文化やから、バス停や電車の中で他人同士の、
「寒いな」
「知ってるよ、ばかばかしい寒さや」
「幸運を祈るよ」
「おまえもな」
みたいな小会話がしょっちゅう行われるんですが、僕はそういうのにけっこう癒されていました。
寒くて辛いからする会話なんやけど、そういう会話で、普段暖まらないところが少しだけ暖かくなる。
寒い日に「寒いね」「うん、寒いね」と言い合える人がいるのは幸せなことだ、と誰かが本に書いていましたが、本当にそうだと思うな。それが家族でも恋人でも友達でも他人でも。
しかしNYか。懐かしいな。あまりに寒くて思い出してしまった。
NYかー。きっと今ごろポート・オーソリティー・バスターミナルではティンバーランドのブーツの広告が「長くて辛い冬がまたやってくる」とか言って床一面にどでかく出てるんやろうな。んー行きたいな。寂しいなあ。